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第89話 感謝のきもち |
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震災から2日目の夜、このまま店を続けて行けるのだろうか?と、先の読めない盲目的不安が私の頭のてっぺんから足の爪先までの全てを支配しつつあった。
時刻は午後9時を少しばかり回ったあたりだった。外気はすでに0℃に近い。ガソリンの節約の為もあって車のエンジンは切っている。私は少しでも体を休めようと、ドライビングシートを倒して毛布をかぶり横になっていた。
タイミングが良いとか悪いとかはともかく、この時私達は半年前からの予定において、店の引っ越しを控えていた。この震災における大混乱の最中、果たしてどのように行動すれば良いのか一時選択を迷ったのだが、親しい友人達や寛大な運送会社、また前向きなスタッフみんなの協力もあり、その引っ越しを敢行する事にした。結果などは考えたところでわからない、今できる事を成した。
それから幾日が経過したのだろう、ぽつりぽつりとお客様の姿を目にする事ができるようになった。もろく、あきらめにも似た心理的葛藤の闇のなかに小さな明かりが灯る。そのほっくりとした明かりに少しばかりの勇気が湧き上がる。「しっかりやらなければ」と自身に喝を入れる。
こうして今があるのは、やはりこの移転先までわざわざ足を運んで下さる皆様のおかげであり、また個人個人が被災にあわれながらも前向きなその力強さを拝見させて頂いているからであります。とても心強いかぎりです。 ティーバードスタッフ一同 |
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